バタンッ。


「ホントに意味わかんない…」


あたしはドアを勢いよく閉めた後、玄関に座りこんだ。


天翔…今あたしに…―。


何が起こったのか理解できず、頭は軽くパニック状態。


天翔…どうして…―?


『俺のものになれよ…』


天翔の切なそうな低い囁きが、何度も頭の中でリピートされる。


そして…―。


あたしはまだ天翔の感触が残っている、唇にそっと触れる。


あたし…キスされたんだよね…?


驚きと戸惑いで、冷静に考えることができない。