パシャン


「馬ッ鹿野郎…!!」

「か、な?」


確かに身を投げようとした、が、架名に引っ張られ後ろに倒れたらしい。


だが、何よりも一瞬聞こえた声に俺はひらすら涙を流していた。

「千尋…帰るぞ。」


涙を流していた俺を見兼ねてか、架名はビニール傘を持ったまま俺を背負い歩き出す。


「…死んだって、秋夜には会えないだろ」

帰る途中、架名は俺にそう言った。

「…俺、秋夜の声を聞いたんだ、落ちようとした時に。」

そう返すと架名は驚いた顔をしたが、直ぐ「…そうか」と呟いた。




「もう、旧校舎には行くなよ?」
「嗚呼、ありがとな、色々。」


その後、架名は俺を家に送ると帰って行った。

俺は手記を片手に自室に向かう