『なん、っ開けて、開けてよッ』

持っていた傘を投げ、必死にドアを叩く。
もしかしたら誰かが外から鍵を掛けた?そう考えると怖くて仕方無かった。


『…探す、しかない』

諦めて他の出口を探す。
携帯の灯りを頼りに探し歩くも、古いからか非常口は無く、窓ガラスも錆びて開けることは不可能。
割ることも考えだが、全く運動をしていなかった為か力が足りなかった。


ヴー、ヴー、

『ひ…ッ』

突如、携帯のバイブレーションが鳴る。思わず落としそうになるが必死に堪えた。

恐怖に震えるも、家族かも知れない、と恐る恐るメールを開く。


[死ね]

その時、私は笑った、ただひたすら笑った。
何だ、そうすれば良いんだ、と。