「…自己紹介が遅れた。
俺は透祈 千尋(トウキ チヒロ)、女みたいな名前だけど男だからな。」

『え、男だったの?』

「滅してやろうか、あ?」


口に出てたか、と焦るも、学生…千尋はまた溜息をつき「お前は?」と言ってきた。


『え。』

「だから、お前の名前。」

『………え、』

改めて思い返してみるも、全く分からない。

名前所か、死んだ時以外何も。

そう思うと途端に不安になる。
口を手で覆い震え出す私を、千尋は私の心境察したのか背中を撫でてくれた。