【琴音】



自分はいらない人間なんじゃないかと、たまに思う。



目覚めて、学校へ行き、帰って眠る。



それだけを繰り返す毎日。



「おはようございます、お嬢様。本日もよい天気でございますよ」



朝から誰かがそばにいる。



毎日そばにいるのは、あたしの布団を剥いだこの男。



ニコニコしてて、まさに天使の微笑み…。



「頭痛い。学校休む~…」

「左様でございますか。ではわたくしも本日はずっとお嬢様のおそばに…」

「やっぱり行くっ!!」

「はい、では制服にお召し替えを」

「自分でやるから出てってよ…」

「これも仕事でございますから」

「ふざけるなっ!!このエロ執事っ!!」



ここ最近、毎朝あたしは騒いでる気がする。



それもこれも、この執事のせい。



見た目完璧、頭はめちゃくちゃいいらしい。



昔は幼なじみだったはずの彼…。



確か6歳ぐらいまで、毎日一緒に遊んでいたと思う。