「佑輔、ごめんね?」



あたしは今、助手席に座って佑輔に謝っている。



佑輔はもちろん隣の運転席でハンドルを握って運転をしているのだけれど……



「…」



彼はさっきから何も返事を返してくれない。



一番最初に佑輔と駅で待ち合わせをしてから早2時間半以上経っていて



仲直りをしてからも結局は佑輔の運転で映画館に行くことになって



本当にあたしの心の中は申し訳ない気持ちでいっぱいだ。



これだけはどうしても避けたかったのに。



佑輔の家を出てからまた駅に向かって歩き出そうとしたら「俺が運転するから。未紗は助手席に乗れ」って言われて



結局仕事で疲れている彼に車の運転をさせてしまうことになってしまった。