「主様、これに一緒に行きませんか?」


鬼灯がコンビニの壁にでかでかと貼ってあるポスターを指差した。

打ち上げ花火の写真に「紋司詩町花火祭り!7月○日開催!(雨天延期)」と書かれたポスターは紛れもなく、花火大会の開催についてのものだった。


「一緒って…2人でって事?」


「もちろん。そのつもりですよ」


私は顎に手を当てしばらく考えたのち、口を開いた。


「たまにはそういうのもいいな。よし…一緒に行くか」


鬼灯が妖艶に微笑む。何かされる…!と思ったが時すでに遅し、鬼灯は私を引き寄せたと思うと耳にキスした。一気に顔が熱をもつ。

鬼灯は妖艶に微笑んだまま、耳元で囁いた。


「お礼、ですよ。主様」


私は耳を押さえ、できるだけ鬼灯から離れると無言で俯いた。