平日になって、やっとお店も落ち着いた
今日が終わったらお休み
嬉しくて仕方が無かった

今日もカミちゃんのお弁当は可愛らしい
タコウインナーに顔があったりウサギの旗が立っていたり

「カミちゃん、いいママになるよー」

と、言うと

「その前に相手がいませんから」

むくれた顔をされてしまった

「ごめんごめん。それにしてもやっぱり魚って気分じゃないわ」

今日の社食のメニューはどれもイマイチで
久しぶりに魚の定食を選んでみたけど失敗だった

「あー脂っこいモノが食べたーい」

「疲れてるんですねー、ホント忙しかったですもんね」

私の嘆きにカミちゃんが頷く

「とんこつラーメンと餃子の事しか考えられない!カミちゃん、夜行かない?」

「あぁ・・・残念。今日、久々に短大時代の女子会があるんですよ」

「そっかぁ・・・仕方ない、リクちゃんを誘うか」

男の子だし、美味しいラーメン屋の1件くらい知ってるでしょ
私がリクちゃんにメールしようとケータイを取り出すと

「いいなぁーつぐみさん、私もリクちゃんに会いたい!」

カミちゃんがだだっ子みたいな声色を出した

リクちゃんがお店に来てからカミちゃんはずっとこんな調子で
リクちゃんにやたら会いたがる

「そんなにタイプ!?」

「ドストライクです!!可愛いんだもん、リクちゃん大好きー!」

カミちゃんの顔が甘くゆるんでいく

合コンで出会った、タイプの人の話しをする時と同じ顔だと思った

私はそんなカミちゃんを見て
もうリクちゃんをお店に来させないようにしようと心に決めた