―着ぐるみ和人―
体育祭当日がやってきた。
毎晩遅くまで準備をしていた先生は、朝から緊張しているようだった。
「せ~んせっ!!」
と先生の背中にくっついてみる。
「リラックスだよ」
「おう、サンキュ」
先生は白いジャージを着て、家を出た。
友達にもたくさん声をかけた。
同窓会みたいにみんなが集まれたらいいのに。
先生の応援団長っぷりを見ようと、ゆかりやたっくん、龍や依子が来てくれることになっていた。
専門学校のみんなは、予定があって無理だったんだ。
そのことにちょっとホッとしちゃった私。
美穂が、かっこいい先生にときめいたら嫌だなって思ってしまったんだ。
心の傷ってなかなか消えないんだね。