【佳那side】


結大兄、今行くよ…。待っててね、結大兄。


私は家についてお母さんの車に乗り込んだ。

車で行けば30分とかからない近い病院。


私達は望月病院についた。


「お母さん、結大兄は大丈夫だよね!?」


「えぇ。大丈夫よ…きっと…」


私とお母さんはそう言いながら

病院の中へ入ってきた。


すると椅子に座り込む結大兄のお母さんの

陽菜さんがいた。


「陽菜、結大くんは大丈夫だったの!?」


お母さんが心配そうに尋ねた。

すると陽菜さんは


「声が出なかった。あんなボロボロになって帰ってくるなんて…。結大は505号室にいるわ。」


と少し辛そうに一言だけ言った。


「505号室にいるのねっ…」


「えっ…?佳那!!」


―――ダッ…!


私は思わず走り出してしまった。

結大兄の待つ505号室へ…。



きっとそれ以上結大兄の事を

聞いていられなかったんだ。


聞くのが怖かったんだ…。


結大兄がボロボロなんて想像も出来ないよ…。