「ルっ……ルト!」 私の声に、ルトは足を止めた。 手を離し、こちらへ向き直る。 やっと見えた彼の目は、気まずそうにそらされていた。 「………ごめん…………」 店からだいぶ離れた、薄暗い場所。 頭上の街灯が、私達を照らしている。 「なんで、謝るの」 彼の声は、先程とは全く違う、普通の声色だった。 ルトは、助けてくれたのだ。 謝る必要など全くない。