ざわざわと五月蠅い教室の中で、私はゆっくりと瞼を開いた。


夢…?

私は大きな欠伸を漏らし、辺りを見渡した。


「どうしたの?綾芽、さっきから寝てばっかりだけど…?」

辺りを見渡してると、隣の席に座っている緑常琴乃(りょくじょうことの)が私に声をかける。

「大丈夫、ここ最近寝不足なだけだから」


私、凛童綾芽(りんどうあやめ)は再び欠伸を漏らしながら言った。


「そっか、寝不足は美容によくないからしっかり寝たほうがいいよ?」


「あはははは…」

私は苦笑した。

琴乃は私の幼馴染の同級生だ。

多少お節介というか世話やきというか…まぁ一応私のいい友達である。

そして、クラスで1、2を争う美人だ。


そして、勉強ができて運動ができるという優等生の鏡のような存在だ。


勉強はいつも平均で運動にしか取り柄のない私に比べられると悲しくなるので比べないことにしよう…


しかし、私には琴乃にも言えない秘密があった。