日頃良く見る夢が自分一人が見ているものではなかったことに興味をひかれたのだろう。

一週間後、蒼馬も交えて夢について語り合うことが実現した。


「何か、皆バラバラねー」
 
皆の書いてきた夢の内容を眺め、紅葉は呟いた。

「ふむ……。やはり同じなのは、一番最後であろう、我々が死んでしまうところか」
 
真吏が言う。

「そうみたいね」

「じゃあ、やっぱこの中で一番に死んだのって俺かー? 嫌だなー」
 
夢の中で見た限りでは、一番最初に死んでしまったラディウスの現世である蒼馬は、本当に嫌そうに顔をしかめた。

「それで次が俺なんだ……」
 
蓮は背後に闇が見えそうなくらい落ち込んでいる。

いくら今の自分の話でないとはいえ、おそらく昔の自分だった者が死んだ時のことまで分かってしまうのは、あまり気持ちのいいものではなかった。

「三番目がファリアで……四番目が」

「私だな」
 
真吏は相変わらず、淡々と冷静に答える。

「で、五番目があたし、と。六番目はどっち?」
 
紅葉は聖の方を向く。

「え? ……さあ、分からない」

「さあ、って、見てないの?」

「いや、俺が死んだのは分かるんだけど、俺とラクシュミーのどちらが先だったのかは分からない」

「何で? そこまで分かっててどっちが先に死んだか分からないなんて、変じゃないか」
 
蓮は素朴な疑問を口にする。

「確かにそうなんだけど……」