答えは今夜聞きに来ると、前回のお座敷で決められていた。

太夫と吉原の命運がかかっているというので、あれからずっとせわしなかった御影屋の亭主も

三日前、ついに本人へと決定権を委ねた。


桜太夫とて、そういつまでもことを引きずることはしない。

腹はくくった。






が、やはり躊躇していたのは確かだ。

夕暮れ時、何も知らずにお喋りをしている禿たちを見ていると

ついつい、いつまでもここでこうしていたいと思ってしまう。



…。


(だめだ。行かなくては。)


決意の表情で立ち上がった太夫を見て、禿達もふと一抹の不安を感じはしたが


二人とも、荷物を持ち

黙って太夫に付いていった。