「ふふっ、できた。これで完成ね」

リリスは満足そうに微笑んだ。

彼女の手元には、一体の人形がある。

それは彼女が作り上げたモノ。

「日本に来て作りにくくなってしまったけれど、何とかできたわね」

彼女が作った人形は、金色の巻き髪に深緑色の丸く大きな瞳が印象的な、アンティークドールだった。

紫色のシルクのドレスを身にまとった人形は、無機質な眼に創造主の美しい姿を映す。

「-ええ、分かっているわ。あなたの望みは、必ず叶えられるわ」

リリスは愛おしそうに、人形をその胸に抱いた。

「大丈夫。人は人間である限り、どんな欲望も持つものだから」

スッと細めた深海色の瞳に、冷たい光が宿る。

「例えそれが、闇のモノであっても―ね?」