【実梨】




はぁ、紀田くんの前で泣いちゃった…。




しかも心配までさせちゃったし…。




あぁ〜、先輩に会わせる顔もないよ…。




「紀田くん…ごめん。
ちょっと一人にしてくれないかな…」




……。




「…紀田くん?」




返事がなく、後ろを振り返ってみると、後ろにいたはずの紀田くんがいなかった。




「あれ…?」




そういえばいつのまにか静かになってる。




「授業に戻ったのかな…」



いなくなるなら一言言ってくれてもいいのに…。




保健室の机に伏せて、また1人小さく泣いた。