その後、生川先輩は本当にいつもどおり、何事もなかったかのようにわたしと接してくれた。


こんなに大人でステキな人を、わたしは振ってしまったんだと思うと、胸が痛んだ。


事情を知っている浅野先輩も、何事もなかったかのように振る舞ってくれ、大人な先輩たちのおかげで、わたしはまた部活に戻ることができた。


みんな好きな時にやってきて、描きたい絵を描く。


いつもの美術部の風景に戻った。


そんな矢先。


美術部の扉が、がらりと開いたので、何気なく扉の方を見ると、思わず目を見開いてしまった。