「おい!居たぞ居たぞ!!」



「……な、何っ!?」



ついに出勤日を迎え、斗志樹が当直だった為、1人で出勤。

相変わらずの女子高生の軍団を抜け、ついにイケメン巡査長だけ狙われてるんだなーと思ってると、隅に追いやられてた男子高校生に取り囲まれた。



「あの、これ……っ!!」



「貰って下さい!」



「「「『俺のも貰って下さいっ!!』」」」



「ちょっと待って!!;;」


あちらこちらから伸びて来る手には、花束や紙袋が。

お小遣いの中から買ってくれたのだろうから、この一度きりだと言い付けて貰うつもりだけど、どうにも腑に落ちない。



「ねぇ。何で私に?知り合いだった?;;」



「いいえ!」



「けど、テレビで見てからファンなんです!空港でのあの立てこもり事件の日!」



「指示を出す刑事さんの姿に、俺たちは惚れたんですッ!」



…いやいやいやいや;;

意味わかんないから;;

どうしてそれだけで惚れられてるのか;;

“ファン”と言うならば、わからなくもないんだけどね。