「みえちゃんは今日の朝で、八十八回のおまいりを終えたよ。だから、みえちゃんにそっくりの、かわいい女の赤ちゃんをあげてね」


「……その願いごとは、かなわんのだよ」



「え? ああ、ひげもじゃ神さまはこくもつの神さまだから、食べ物以外のお願いごとは得意じゃないものね。でも大丈夫。そういうときのために、おいら、コウノトリにもお願いしといたんだ。左のキバと交換でさ」


「コウノトリでも無理なんじゃ。人の子は、大人にならないと赤ん坊を産めんのじゃ」


「でも、約束したんだ」




「……」



「でも……。なら、ひげもじゃ神さまお願い。おいら何でもするから。ほしいものがあれば全部あげる。カッパのへそはもうないけど、おにのパンツならあるよ。それから」




「無理なものは無理なんじゃよ」