うだるような暑さはやわらいで、こおろぎの鳴き声も入りまじり、季節は、秋へと移り変わろうとしていました。




「これは……どうしたことじゃ」



 西のうまいもんをたんまり買いこんで、ご神木をのぞいたひげもじゃ神さまは、もうびっくりです。




 子おにはすっかりやつれていました。




 ふくよかだったほっぺたは落ちくぼみ、ピカピカ光っていた一本角はけずれ、おまけに二本のキバもありません。




「いったい、なにがあったのじゃ」





 ひげもじゃ神さまがたずねると、子おにはみえちゃんのことや、神さま宛てに何度も手紙を書いたことを話しました。




「なんと……」