その日の夜、いつも通り遅い時刻に家に帰ると、キッチンで冬が晩ご飯を食べていた。


 友達の家に行っていて、さっき帰ったばかりらしい。友達と勉強をしていたと本人は言うけど、本当だろうか……


 今日のご飯は栗ご飯に肉じゃがに豚汁。私の大好物ばかりだ。


「夏姉、陸って10時頃に起き出して、昼頃車で出掛けるんでしょ? 毎日そういうパターンなの?」


「そうよ。そういう意味では規則正しいわね。『ご飯食べて行けば?』って言っても、いつも『いらない』って……」


「きっと彼女と食べてるんだわ」


「ちょっと、秋姉?」


 私の呟きに冬が反応した。


「なに?」


「今、“彼女”って言った? もしかして、陸君の彼女って事?」