扉の前に着いた。
倉庫の前は海。



ガチャッ


「どうぞ。あげは」


「ありがとう」


怜がドアを開けてくれた。


こういう気遣いが出来るからいいわね。


「あげは、鍵持ってる?」

「持ってる。いつも付けてる」


由樹がコソッと耳打ちしてきた。


あの部屋の鍵は私のネックレス。


リングをはめると開く仕組みになっている。


「あげは?どうかしましたか?」

「なんでもない。それより早く行かないと行けないんでしょ?」


「あ、そうだったね。また奏の機嫌が悪くなったら困っちゃうからね」



・・・・不機嫌になったら面倒そう。