「ハァ………」


「ヒャイヌさん、ため息はあまりしない方がいいですよ」


「誰のせいでため息ついてると思ってんのよ!!」


隣にいる白ネコに向かい、シャーーーッ!と牙をむく。


………私ネコだから、牙無いんだけどね……


「――――雫のせいですか?それとも………私?」


白ネコが透き通る様な青い瞳を私に向け、静かに尋ねて来る。


何もかも見透かされてる気になるこの瞳――――…私は苦手だ。


小さい悪魔の羽をはばたかせ、フワリと宙に浮く。


「さあ……どうなのかしらね」


遠くに映る地上を見ながら呟いた。