「………。」


私、森山千里(モリヤマチサト)は、テストの答案用紙とにらめっこしてた。





史上初の、赤点……。





っペラッ。


目の前から、急に答案が消えた。


「ぇッ?!」

「おっ、千里、赤点じゃん!!」

「ちょ、武志!!!?」


いつもつるんでる人たちのひとり、
藤崎武志(フジサキタケシ)が、ニヤニヤしながら口を開く。

その手には、私の答案。


ほぼまっさらといっても過言ではない私の答案。

その右端に、
赤字でくっきりと“15”と書かれていた。