「●●警察まで」



「何で貴方が言ってるんですか!!」



「行かないん?」



「行きますけど…」



運転手さんは戸惑いながら、車を走らせる。

車内は沈黙。

一先ず、警察に行こう。

話は着いてからでも良いし。

どうせ迎えに行っても、貴方はどこかに行ってしまうから。

高校は中退、仕事もしてない。

いつになったら落ち着くかもわからない兄貴を、私は何度も説得したけど無駄だとわかった。

だから野放しにしとく。

殴られてまで、言うつもりもないし。

たまに“逮捕されちゃえ”と思うほど、疲れる人間だ。