ケータイ小説 野いちご

月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側

忘れません

そして翌日の夕方。

あたしは病室のTVでニュースを見ていた。

『××署は本日〇△病院の医師・藤上一郎(41)容疑者と同病院の看護師・大場雅美(40)容疑者を殺人容疑で逮捕いたしました。

××署の発表によりますと、今朝未明、藤上容疑者が「人を殺した」と出頭してきたため事情を聞いたところ、先日〇△病院の屋上から転落死したとされる患者の雪村多江さん(20)の殺害を自供。

共犯者として大場容疑者の名前を挙げたため、両容疑者を緊急逮捕したとのことです…』

あたしはTVを消した。

「昨日の麗美姉ちゃんの気合い、無駄になっちゃったね」

「事件が解決すればそれでいいのよ」

麗美姉ちゃんは気にした風もなく笑った。

隣の達郎兄ちゃんも同調したようにうなずいた。

「藤上は相当やつれてたみたいよ」

「罪の意識に悩むというよりは、自分のしでかした事に怯えてるだけのようだがな」

「犯行前から挙動不審だったんでしょ」


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