「陸也~。起きろ~」


海里が僕を左右に揺すった。


「……もう起きてるよ」


僕は勢いよく目を開ける。


「うおっ!……びびったぁ」


海里は苦笑いを浮かべた。


時間を確認しようとケータイを開いた。


が、画面は暗いまま。


……電源切ってんだっけ。


ゆっくり電源を入れる。


「…………!」


今の僕の状態を一言で表すのなら“引いた”が1番しっくりくる。


不在着信が、54件。

メールは26件。


しかも全て母さんから。