翌日、夜月は神田川の所に行き
ホストを辞めると言った。



「辞める!?どうしたんだ急に…」



「急にじゃない前から考えてた」



「訳を聞かせてくれ。じゃないと私は納得出来ないぞ」



「ホストに面白みを感じなくなったからだ。続けても意味がない」



「君はホストという仕事より、金が目当てじゃなかったのか」



「確かに最初の頃は金さえ入れば良かった。けど今は違う」



「何だ?」



「金より大事なものがあるって気付いたんだ。だから辞める」



「辞めてどうするつもりだ?」



「自由に暮らす」



「自由?」



「何とも思ってない女のご機嫌とりなんて、もううんざりなんだ。これからは俺の本望のまま生きるんだよ」



「……君を失うと困る」



「アイツを連れてくればいいだろ」



「アイツ…?」



「晴海だよ。アイツ、今は休業してんだろ。理由は知らないが」



「しかし、晴海くんは…」



「俺がいなくなれば戻って来る。アイツは俺を嫌ってるからな」



「しかし、夜月くん」



「引き止めても無駄。もう決めた事だ。それに、あんたは俺がいない方がいいんじゃないか」



「なぜだ?」