如月さんが帰った後、すぐにミコちゃんから電話があった。

本当は直接お礼に来たかった事。
とても丁寧に謝られてしまった。

「そんなのいいんだよ。
ミコちゃんがスゴイ人だって分かったし…」

そう言った途端、ミコちゃんの話すトーンが変わった。

「お願い、家の事は誰にも言わないで!
家の事とか会社の事とか、一切関係ない暮らしがしてみたいの。
お願いだから…誰にも言わないで貰えないかな…?」

「分かった!誰にも言わないよ。
それに…ミコちゃんが合格しても私が合格出来るとは限らないし。
別に言う相手もいないから安心して!」

「…ありがとう…」