「失礼します。」


「幸ちゃんいらっしゃい。」



診察室へ入ると、日比谷 蓮(ヒビヤ レン)先生が笑顔で出迎えてくれた。



小さい頃から、あたしを診てくれている男の先生だ。


「さぁ、座って?」


先生の言葉に頷いて椅子に座った。



「変わった事はあった?」



「はい。太陽の光が眩しく感じるんです。見づらくなるし……。」



あの時なんか、危うく階段から落ちるところだった。



「………そうか……。他にはあるかい?」



「いえ…。それだけです。」



その言葉に先生は深刻そうな顔をした。


ドキン……ドキン…


心臓が痛い……。