ケータイ小説 野いちご

この想い伝わるまで

第7話 お兄ちゃんに内緒で

何、隠したんだろう?

「弁当食おう」

伸ばした私の手から逃げるように、ベッドに腰を下ろしていたお兄ちゃんが立ち上がる。

そして、お弁当が乗せてあるテーブルごとベッドの横に引き寄せた。

「食えるか?」

食べたいけど、起き上がると頭がクラクラして座るなんて無理。

頭を抱えて、すごすごとベッドに戻った。

「仕方ないな」

お兄ちゃんはお弁当をひとつ開けると、お箸に卵焼きを挟み、私の口元まで持って来た。

私はびっくりしてお兄ちゃんを見た。

「どうした?食べるのも無理か?」

私は首を振り、口をあーんと開けた。

それからお兄ちゃんは自分のお弁当箱も開け、卵焼きを出すとまた口元に運んでくれた。

嬉しくて涙が出そうになる。

お兄ちゃん……

私が卵焼き大好物なの、覚えててくれたんだ。

ご飯を食べて、私が薬を飲むのを見届けるとお兄ちゃんは「風呂に入るから」と席を立った。

薬が効いて来たのか少し楽になったような気がする。

トイレにも行きたくなったし……

ふらつく体を支えるようにしながら、ベッドから起き上がる。

トイレから戻ると、まだお兄ちゃんはお風呂みたいでシャワーの音が聞こえる。

ベッドに戻ろうとして、お兄ちゃんの上着が目に入った。

さっき、何を隠してたんだろう。

そぉっとお兄ちゃんのポケットに手を入れ、箱を取り出した。

可愛いちっちゃな箱。

何も書いてないや。

箱の蓋を開け、手にしてみて、それがなんなのかが分かり、冷や汗が出る。

すると、その時、お兄ちゃんがお風呂から上がる音がした。

ヤバイ!
慌てて中にある2つのモノを箱に戻そうとして、箱がグチャグチャになる。

お兄ちゃんのポケットに戻そう。

ううん。
だめ!!
こんなのお兄ちゃんに持ってて欲しくない。

お兄ちゃんに内緒でゴミ箱に捨てようとした時、お風呂の扉が開いた。

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