子どもから大人まで、登場する一人一人が自分の物語を織りなすオムニバス形式の物語です。恋愛話が多いけど、そうじゃない話もしっかりと切なくて、あたたかい。

「花染町」に行き来かう人たちが、少しずつすれ違い、ため息をもらし、涙を流す。それぞれが幸せと不幸を合わせ持ち、よろこびとさびしさをからめていき、それが一つの町の中で展開されていきます。
小さな感情の積み重ねがおもしろく、それらが町全体をおおって“生活していくこと=生きるということ”を語ってくれる。

つまらないやつだと思っていた人、こんな人だと勝手に思い込んでいたいた人も、みんな自分の人生を持っている。たくさんの人が織りなす魅力に胸がワクワクする。愛おしくなってくる。

愛してもいい、逃げてもいい、挑んでもいい。がんばるのも、許すのも、失恋するのも、ぜんぶまとめて愛おしい。

雨が上がり、見えない「点と線」が見えてくると、そこには愛にあふれた「世界」がひろがっている。