勇気を出して恋愛します。


進路に迷いながら歩く二人。彼らには幸せがあるのでしょうか。

季節を歩いて、どこまでいくのでしょうか。

平凡な、彼。非凡な、彼女。



彼は、夢を持っていたのだった。

小さな夢。

成し遂げるのも、ちょっと勇気を出せばできること。

でも、それができなかった。だから、今の今まで悩んでいたのだった。



彼はまだ中学生だった。

これからどんな事もありえる、そんな時期だった。自分しだいで未来は変えられる。そう信じていたのだった。

それが、そう思うのと同時に、自分ではできないかもしれない、と。そんな事も考えていたのだった。


やっても、できないかもしれない。やらなかったら、もちろんできない。自分は、一体何がしたいのか。分からないままで中学校時代を過ごしていたのだった。


他の皆は、どうしているのだろう。そんなことを考える。


笑って話しているあいつにさえ、未来という展望があるのだろうか。開けている未来が、あるのだろうか。


時折暗く落ち込んでしまう事がある。

自分には、才能がないから。自分には、勇気がないから。だから、なにもできない。

そんなこと。しかし、彼は本気で。全てを投げ出したかった。

古い荷物は迷わず捨ててしまって、より新しいものを求めて。そうやって生きていけたならどんなに素晴らしい事だろうか。でも、それができないから困っているのだ。


あとちょっとだけ、勇気が欲しかった。