「今日誰だろーな。」
「わかんねぇよなぁー。」


年に1度の生徒会行事『留置所男子選抜会』




体育室に重い足取りの男子と共に向かうあたし。

誰が選ばれるかというのは「留置所行き男子」の話。




留置所は、各高等学校で選ばれた問題児1年1名を集めた高等学校。
毎年選ばれる生徒には色んな人が居て。
色んな理由がある。


そして『留置所男子選抜会』とは、
新入生であるあたし達1年の中から最も学級に害を及ぼすだろうと思われる生徒1名を
全学年で推薦し話し合う、この高校ならではの行事だ。



選ばれる理由は様々な為、1年男子は皆どんよりとした表情で1日を過ごす。
体育室に着いた瞬間、男子は皆黙るもので。



「これから、留置所男子選抜会を行います。事前に配布した紙に最も学校生活に害を及ぼすと思われる1年の名前を書き、投票箱に提出して下さい。」


何て酷な行事なんだ。

先輩達が投票用紙に名前を書き始める。




全員の投票が終わった頃だった。





私達1年は学級の仲が悪くなった時のコトを考えて投票が無く、選ばれなければ後は天国なのだが。

選ばれたらお終いであった。




「それでは、留置所行きに推薦された生徒の名前を読んでいきます。名前を呼ばれた1年はステージへ上がってください。」



「1-A仲枝、1-B……」


次々に呼ばれていく名前。
先輩達が1年を観察しての投票のため、地味男子が呼ばれる確立は低く。