お昼休み、三人で裏庭のたまり場でお弁当を食べていると。
彼女が走って来てベンチの影に隠れる。

「どこに行ったんだ?!」
「あっちだ!」

数人の男子生徒が走り去る。

「大変だね…。」
と手を貸した。

「ありがとう。」
にこりと笑うとさらっと長い髪がなびいて、誘われるような香りがした。
顔を上げた彼女の目が赤く見えた。

「坂木さん…。肌の色が綺麗、血の…。ぴちぴちしてる。」

「えっ?」

「だよね…。さおりてさ綺麗なんだけど自覚ないっていうかさ…。」

「まりよりは綺麗。」
「かなこ!それ私がデブて言いたいわけ?!」

「冗談でしょ!そんなに怒んないでよ。はいおわびに卵焼き。」
パクっと食べる。
餌付けじゃん…。

「赤木さん?ぼーとしてどしたの?具合悪い?」
「ちょっと…。さよなら。」

走り去る彼女はやっぱり綺麗。