授業が終わり、帰るために中庭を一人で歩いていたら、校舎の脇の植え込みの辺りに、ひとりの女子が腰を屈めているのが見えた。

探し物か?

特に帰りを急ぐでもない俺は、ほんの好奇心でその女子に近付いていった。

その女子の後ろから植え込みを覗くと、そこにはダンボール箱があり、その中には白い毛の小さな動物が、震えながらミーミーと泣いていた。

子猫だ。

俺はもっと近くから子猫を見たくて、女子の肩に手を置き、その肩越しに顔を突き出した。

その女子のサラサラの髪の毛からは、微かにリンスの甘い香がした。

女子は、ちょうど子猫を抱き上げようとしているところだった。

「可愛いなあ」