ーー翌日。


あたしは、あーちゃんと一緒に駅前のファーストフード店に来ていた。

愛チャンは用事があるらしくて、今日は来れないらしい。

「……で、あれから王子とはどうなったのよ?」

アイスティーを飲みながら、ポテトを頬張るあーちゃん。

あたしは、あーちゃんに昨日の夜のことを話した。

「実はね……」


ーーーーーー……………

時刻は昨日の夜に遡る。


「ねぇ……楓?」

夜ご飯を済ませて、リビングでテレビを見ているあたし達。

あたしは、まだお風呂上がりで髪の濡れた楓の座るソファーの隣に腰を下ろした。

「……なんだよ?」

楓の大好きなお笑い番組がやってるからか、楓はテレビに夢中であたしを見てくれない。

もぉおおおおおおっ!

真剣な話なんだから、ちゃんとこっち見てよぉおおおおお!

「あーのーねっ!」

あたしはテレビに負けないくらい大きい声を上げて、楓の鼓膜を揺さぶった。