◇天国まであと九十五段 いつもと変わらない毎日。 私が朝、クラスに入ると、 みんなが横目でちらっと見る。 そして、 すぐに自分たちの会話に戻って行く。 「おはよう。昨日まではごめんね。 海結ちゃん、許してくれる? これからは、仲良くしてね」 そんな声を掛けてくれる人が現れるのを、私は待ち続けていた。 現れるはずないのに、どうしても夢見てしまう。