修学旅行が明けてから、楽しかった教室も地獄のような場所に一変していた。


友達が居なかった時は寂しかったけど、それなりに自分だけの時間の過ごし方を探し、楽しんでいた。


だけど今では“寂しさ”ではない。


“恐怖のどん底”だった。



由羽希の存在―――。


さちの存在―――。


唯の存在―――。


見てみぬフリをするクラスメイトの存在―――。


陸の居場所が無くなっていった。



だけどそんな陸にも楽しい時間があった。


それはクラスの担任である町田先生の存在だった。


優しくて、話してて楽しかった。


中1の頃も町田先生が担任だったので尚更話しやすかった。


町田先生の受け持つ数学の時間と、町田先生と話している時の時間がとても楽しかった。