「あの…」

私はずっと疑問に思ってる事を水嶋先輩に聞いてみる事にした。

「どうして先輩は、私に練習してくれたんですか?」

「ん? それはおまえが練習不足って言ったからだろ?」

「え? 私、先輩にそんな事言いましたか?」

「まあ、俺にと言うより、独り言だったけどな」

「独り言…? ああ!」

思い出した。先輩にノートを取り上げられた時だ。

「思い出したか?」

「はい。でも…」

確かに私は練習が足りないとぼやいた。でも、だからって普通夜遅くまで練習に付き合ってくれるものだろうか…

「それだけじゃ不服か?」

「そ、そんな事は…」

「裕樹に教わりたい、なんて言うなよ」

「え?」