私はソファに座り、テレビのバラエティ番組をボーッと観ていた。


お風呂で温まって、ワインの酔いもまだあって、ほわんとしていた。

もし横になったら、あっという間に眠ってしまうだろう。


不意にソファが沈み、体が左に傾いたら、頭がコツンと何かに当たった。


ゆっくりそちらに顔を向けると、湯上がりでほんのりと上気した香取さんの顔があった。


「あ、お帰りなさい」


「寝てたのか?」


「ううん、起きてたよ。でも、半分は寝てたかも……」


「眠いかい?」


「うん」


「悪いけど、まだ寝かせてやらない」


「え?」


香取さんに肩をグイッと引き寄せられたと思ったら、体がフワッと浮き上がった。


抱き上げられたと分かり、私は慌てて香取さんの首にしがみついた。


「ベットへ行くよ。いいよな?」


私はコクッと頷いていた。