伯父貴には息子と娘が一人ずついるけど、二人ともビジネスに興味がなくてね。


そこでビジネスが嫌いではない甥、つまり俺に財団を任せたら……って話があるらしい」


「そうなんですか……」


「今日はもう帰ろうか?」


「香取さんの仕事は片付いたんですか?」


「いや、まだだ」


「私もなので、もう少しやって行きませんか?」


「おお、そうしようか? じゃあ、先ずは腹ごしらえしようよ。食い物買って来てくれたんだろ?」


「はい」



香取さんとお昼を食べたけど、私は味わうどころではなかった。