翌日。

社内を歩いていると、私を見て露骨にヒソヒソ話をする光景を何度も見た。
中には指を指す人もいた。亮君と一緒だと特にひどい。

「恐れた通りだわ」

「何がですか?」

「昨日の喫茶店のを誰かに見られたんでしょうね。きっと社内中の噂になってるわよ」

「へえ〜。みんな暇なんですね」

「人は噂話が好きなのよ」

「俺は好きじゃないですよ」