『ここに来るのも久しぶりだな・・・・・・』


月明かりに照らされ、夜風に靡[なび]く髪を右手で押さえながら一人の少年が呟いた・・・・・・


栗色のふわふわした髪に綺麗な目鼻立ち・・・・・・


どの女性をも虜[とりこ]に出来そうなルックスの持ち主が愛しそうに呼ぶのは・・・・・・







『ミヤ・・・・・・早く会いたいよ・・・・・・』







愛しい少女の名前・・・・・・







少年の手には一枚の写真が握られている


そこに写っているのは笑いながら歩く一人の少女の姿・・・・・・


少年は写真を眺めて一度夜空を見上げると、颯爽と速足で目的の場所へと急ぐ


『待っててね?もうすぐだから・・・・・・・・・』


少年の声は夜の闇に消えていった・・・