翌日は朝からCM撮影だった。
「翼さんが引退する可能性は薄いな」
達郎兄ちゃんがあたしたちにそっと耳うちした。
昨日、杉田さんとのミーティングの際に、探り出したんだろう。
「当然じゃない」
あたしはふん、と鼻を鳴らした。
昨夜の翼さんの決心を聞けば、誰だってそう思うはず。
でもそれを知らない達郎兄ちゃんは「なんだ」と首をかしげた。
だが、あたしは昨夜のことを、話すつもりはなかった。
だってあんないい話、ペラペラ喋ったらもったいない。
それに何でもお見通しの達郎兄ちゃん相手に、内緒話があるってことがなんか嬉しかった。
スタジオ到着後、翼さんの着替えのため、楽屋に向かった。
杉田さんがドアを開け、中を見渡す。
その動きが、ぴたりと止まった。
「?」
あたしが首をかしげるより早く、達郎兄ちゃんが部屋に入った。
あわてて杉田さんが後を追う。
翼さんがつられるようにして楽屋に入り、あたしたちもそれに続いた。
「翼さんが引退する可能性は薄いな」
達郎兄ちゃんがあたしたちにそっと耳うちした。
昨日、杉田さんとのミーティングの際に、探り出したんだろう。
「当然じゃない」
あたしはふん、と鼻を鳴らした。
昨夜の翼さんの決心を聞けば、誰だってそう思うはず。
でもそれを知らない達郎兄ちゃんは「なんだ」と首をかしげた。
だが、あたしは昨夜のことを、話すつもりはなかった。
だってあんないい話、ペラペラ喋ったらもったいない。
それに何でもお見通しの達郎兄ちゃん相手に、内緒話があるってことがなんか嬉しかった。
スタジオ到着後、翼さんの着替えのため、楽屋に向かった。
杉田さんがドアを開け、中を見渡す。
その動きが、ぴたりと止まった。
「?」
あたしが首をかしげるより早く、達郎兄ちゃんが部屋に入った。
あわてて杉田さんが後を追う。
翼さんがつられるようにして楽屋に入り、あたしたちもそれに続いた。