――お互いの家の前に着いたころには 外はもうだいぶ薄暗くなっていて。 わたしは急いで荷台から降りると 翔とは少し離れた場所に立つ。 「今日はその、あ、ありがとう…」 「……」 …お互い、微妙な距離間のまま ぎこちないながらも 何とかお礼を口にしたわたしに 翔は黙って家の車庫に自転車をしまいながら こっちを見ずに言った。