ケータイ小説 野いちご

記憶の方程式(2011年10月15日更新)

冷たい心

「知奈さん」


バイト先のコンビニで棚に商品を詰めていたら聞き慣れた優しい声が聞こえた。


「あっ優人くん、いらっしゃい」


怜人の弟の優人くん。


優人くんは高校2年生には見えない落ち着いた表情で笑っていた。


「何を買いにきたの?」


「兄さんからプリン買ってこいってパシられてさ。あった、コレコレ。このメーカーのプリンじゃないと怒るんだよね」


優人くんが手にしていたのは怜人の大好物のプリン。


「怜人、このプリン好きだもんね」


記憶を無くす前の怜人もよくこのプリンを食べていた。

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