それからは何事もなく過ぎた。




 凌哉のケガも、驚きの回復力で1週間とちょっとで大分治った。







 幸せな日々を送っていた。




 しかし、とある不注意によって、それは起きてしまった。





 ――…… 



 いつものように、凌哉と週末デートで




 ショッピングに出かけていた。




「りょーやっ、次あっち・・・」




「おい、そんなに急ぐと転ぶぞ?」




 その声を聞くや否や、あたしはヒールが引っかかって、後方へ…




「梨依!!」




 凌哉が手を伸ばしたが、あと僅かなところで届かない。




 まるで全てがスローモーション。