エースは、その青年の存在に気づき、ミツハルの時と同様に、親しげに話しかけた。

「もしかして『ラン』か?随分と大きくなったな…何歳になったん?」

エースにランと呼ばれた青年は、エースに視線を送ると、クールな表情を崩すことなく、小さい声量で答えた。

「今年で21になります…お久しぶりですエースさん」

「ランも、もうそんな年になるのか…俺らも老けたな。なぁ、銀次?」

ランの年齢を聞いたエースは、自分の年齢について、何やら思う事があったようで、しみじみと銀次に語りかける。

「俺は、昔と何も変わらねぇよ。それに俺は、ジャッジタウンでは年齢不詳のゴッド兄ちゃんで通ってんだからよ」

そんなエースに対し、銀次はいつまでも若いままで居たいかの様な発言をした。そんな銀次に対し、意地悪い表情で、エースは語り出した。

「ふーん…俺は、お前の年齢を知っているけどな。言いふらしてやろうか?」

「それはアカン!」

銀次は自分の年齢がバレるのが困るのか、少し焦った表情をした。

「それ僕も知りたい。実は、僕も銀次さんの年齢知らないんだよね」

「…俺も知りたい」

すると、話を聞いていたミツハルとランも、エースの話に食いつきだした。

「そうかい?じゃあ教えようかな…」

「だからアカンって!それに、そんな事話す為に、ここまで来た訳じゃねぇだろうが…そろそろ本題に入ろうぜ」

銀次はよほど自分の年齢の話に触れられたくないのか、話を無理やり本題に持ち込もうとしていた。

「それは俺も同感だ。こっちも仕事で来ているからな…出来れば、無駄な話は避けたい」

ここまで劣性だった銀次に対し、救世主が現れた。

「ジャック?」

話の輪に入れなくて、気まずい思いをしていたであろうジャックだった。