私の話を海堂社長は黙って聞いてくれた。





あの時は母親して最低の人間だった。





修一と出会った日が懐かしかった。





いっつも隣にいて、時間を忘れるほど話に夢中になっていた。





今でも会いたい……でも、あの時ほどじゃない。





修一と私が過ごした時間は短かった。





その短い時間に返しきれないほど幸せをもらったの。





「修一さんっていい人ですね。」


「はい。」





さっきからずっと流れる涙。





止めようと天井を見るが止まるわけなんかなくて目尻から流れてくる。





「鳴海さん、やっぱり好きです。」




ソッと手を握られる。





「僕は修一さんほどいい人ではないかもしれません。けど、鳴海さんを思う気持ちは修一さんと同じぐらいなんです。」





そう言われて、嫌だと思う人はたぶんいない。





私だって嫌じゃない、寧ろ気持ちが傾いてる。